気まぐれレコード

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旅の果てに出会った新しい仲間たち -New Neighbors/Homecomings(2023)

New Neighbors/Homecomings

昨日の羊文学の記事に続き、朝霧JAMの話題を。

2日目のMOONSHINE STAGEトップバッターで登場したHomecomingsのライブが最高だった。

個人的に強い思い入れがあるバンドなのもあって、彼女たちがステージに立った瞬間から既に感極まってしまった。

 

ライブの内容は、最新シングル"Moon Shaped"から始まり、「New Neighbors」収録曲をメインに力強いロックな演奏を見せてくれた。

このロックなフィーリングこそが彼女たちにとってのNew Neighbors、すなわち新しい隣人・仲間なのではないかと私は感じた。

 

Homecomingsの活動を振り返ると、初期は全編英語詞の楽曲で、やわらかめの音像をメインとしたフォークロックを志向していた。

そんな中、2014年に平賀さち枝とホームカミングス名義でリリースしたシングル"白い光の朝に"では日本語詞出歌唱し、これがターニングポイントとなる。

2018年のアルバム「WHALE LIVING」以降は日本語詞の楽曲メインの構成に転換し、ファンを驚かせた。

 

そういった変遷を経て、バンドは10年ちょっとの活動を通して、より良い音を追求する旅を続けてきた。

その一つの答えといえるのがこのアルバム「New Neighbors」であろう。

本作では以前と比較してバンドサウンド全体が強調されており、前述のロック感を演出している。

"Drowse"では打ち込みのビートも採用されており、新たなスタイルへの志向が感じ取れる。

 

また、このアルバムではこれまでの活動で初めて収録曲が全曲日本語詞となっている。

さらに、いくつかの楽曲タイトルには日本語表記が採用されており、これもまたバンド史上初めての試みである。

こういった新しいスタイルこそが、Homecomingsが音楽の旅を通して見つけた新しい仲間なのだろうと思った。

 

同時に、「New  Neighbors」というタイトルには、作品が聴き手の生活にとっての良き隣人でありたい、という想いも込められているのだろう。

『これは私たちの歌 一人でも二人でもないよ』

本作の収録曲"US/アス"ではそう歌われる。

 

朝霧JAMのステージでの心地よい一体感を思い出すと、確かにあの瞬間、私たちは音楽を通した隣人・仲間であった。

ホームカミングスの旅はまだまだ続く。この先ではどんな仲間と出会いどんな音楽を私たちに届けてくれるのだろうか。

 

 

New Neighbors

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  • J-Pop
  • ¥1833